第7章 大野の紋章~考古学者大野智の憂鬱~
「…ごめんなさいね?」
女たちが俺を素っ裸にして、体を薬草の入った麻袋で撫でている。
抵抗したけど、何人もに押さえつけられて抵抗できるだけの体力がなかった。
腹減った…
昨日の夜、ダーオカの家で、ボソボソした何かを食べて以来、なんも食ってない。
力はいらねえ…
「あの通り、ジュンフィス様は横暴な方でね…」
ジュンフィス…?
それがあのファラオの名前か…
って、そんな名前…見たことないぞ…?
「そうなのよね…ヘンペーパイパイを見ると、どうしても我慢ができなくなるのよね…」
「はあ…?」
なんでそんな平らな胸が好きなんだ…
「でもちょうど良かったわ」
「そうよね」
「…なにが…?」
「だって、ジュンフィス様、両方お好きなのだもの」
「は?」
両方って…なんだ?
疑問に思っていると、女たちはクスクス笑い出した。
「男性も女性も…ね…?」
「はあ…?」
ん?
「どちらかというと、男性のほうがお好きなのよねぇ…」
「ほんと、残念だわぁ…」
「ねえ…?私達もいつ、お手がつくか、待っているのに…」
至極残念そうに女たちは、ため息を吐いた。
「あのお…?それって…」
「だから…あなたが男の方だってわかっても、そのままお手がつくのよねえ…」
手…
手がつくって…
え?