• テキストサイズ

ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第7章 大野の紋章~考古学者大野智の憂鬱~


瞬間、新鮮な空気が鼻と口から、水混じりで入ってきた。

「ごほっ…ごほっ…」

水が気管に入って、盛大に噎せた。
その背中を、そっと大きな手が擦っている。

「全く…なにを遊んでいるのだ」

笑い混じりで、どうやら俺に言われてる。
そっと顔を上げて後ろを見たら…

「……!」
「なんだ…?」
「まっ…松本っ!!」

あの濃い顔が、俺の後ろに座り込んでいたのだ。

「マツモト…?」

その太い眉を怪訝に歪ませ、俺の顔をまじまじと見る。

「それは、お前の恋人のことか?」

にたりと不敵な笑いを浮かべると、俺の腕を強引に取って立ち上がった。

「えっ…ちょっ…痛いっ…」

無理やり立ち上がらせると、松本は俺の顔を見て満足げに笑った。

「いい、ヘンペーパイパイだ」
「は、はあ?」

俺の胸を見てる…

って、へんぺーって扁平ってこと?
パイパイって…胸のこと?

「しっ…失礼なっ…」
「胸がないのは、敏感な証拠。気に入った。この女を今日の夜伽に」
「あの…王よ…その方は…」

逃げていった女のひとりが戻ってきた。

王…?
って…えっ…こいつがファラオ!?

「なんだ!」

横暴に言うと、俺を女に向かって投げ捨てた。

「早く清めて持ってこい!」

/ 831ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp