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ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第7章 大野の紋章~考古学者大野智の憂鬱~


いろいろ誤解を受けたままだったが、なんにも解決しないまま、俺は船の上の小屋の中に入れられた。

ダーオカは男だから、小屋の外に居ろと言われ部屋には一人。

マツーオカ将軍の部屋らしく、豪華な調度品にふかふかのお布団が置いてある。

「わあ…スゴイ…」

思わず調度品の一個一個を手にとって見た。
でも室内は松明の明かりが届かないからよく見えない。
これを一個一個調べたら、王朝もわかりそうなもんなんだけどな…

そうこうしてると、入り口の布を遠慮がちに捲くって、マサスが顔を出した。

「あの…ナイルの娘よ…」
「わっ…な、なに?」
「これ、服…本当はマツーオカ将軍の奥さんへのお土産だったんだけど、そんな服じゃあれだから…どうぞって」

恐る恐る部屋の中に、豪華な刺繍の施してある服を差し入れてきた。

「えっ…いいよ!そんな…奥さんに悪いから…」
「で、でもっ…」
「こんなきれいな服、着られないよ…」
「ナイルの娘よ…」

マサスは感激した!みたいな顔をして、一旦引っ込んでいった。

確かに…こんな足丸出しじゃあなあ…
俺の服、ダーオカの家に置きっぱなしだし。
ビリビリになった麻の服の裾を持ってため息を付いた。

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