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ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第7章 大野の紋章~考古学者大野智の憂鬱~





「おいっ…女!しっかりしろっ!」

ペチペチと頬をひっぱたかれてる…

「うう~ん…」

煩いなあ…もうちょっと寝かせておいて…

「おいっ…女!しっかりしろ!」
「えぇ~…俺、女じゃないしぃ…って、あれっ!?」

目を開けると、眩しい。
あれっ…さっきまで夜だったのに…
それになんだか、体がゆらゆらしてるように感じる。

よくみると、明るいのはでっかい松明が何個もあるからで…

「えっ…えっ…」

キョロキョロしていると、俺の頬を叩いていたと思われる男が立ち上がった。

「よし、無事だな…おまえ、ワニに食われそうになっていたんだぞ…」
「えっ…ええっ!あっ…」

ここ、さっきの軍船の上か!?

松明の灯りの届かないところは見えないが、ギイコギイコ漕いでいる音と水音が聞こえてくる。

呆然としていると、男が再びしゃがみこんだ。

「おまえ…平たい顔族か?」
「えっ…」

よく見ると、その男…
ボブヘアではあるけども、見覚えがあった。

「相葉!相葉じゃないか!?」
「えっ…」
「俺だよ!大野!ああ~~~~やっぱ壮大なドッキリだったんだ!」
「…何を言ってるんだ、この女…」

相葉はものすごーく冷たい目で俺を見た。
バサリと緑色のマントを翻して立ち上がった。

「おい、逃亡奴隷かもしれん。身元を調べろ」

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