第7章 大野の紋章~考古学者大野智の憂鬱~
…もしかして、アッチの世界の人…?
ニノールが俺の事、好きとかなんとか…相葉や松本がいってたのを思い出した。
ジリジリと、俺の目を見つめたままダーオカは距離を縮めてくる。
背中に日干しレンガの壁があたった。
もう、逃げ場がない。
「おまえ…」
いよいよダーオカの濃い顔がドアップになった。
「まっ…待って!俺、ソッチの世界の人じゃないっ…」
「えっ…」
ズサァッとダーオカは飛び下がった。
「…ソッチの世界…?」
「いや、だから…その…」
ストレートにゲイじゃないって言ったほうが良かったかな?
「おばあちゃん、この人、どこから来た?」
ダーオカが後ろに佇むおばあちゃんに聞くと、おばあちゃんは黙ってナイルの方を指差した。
その途端、ダーオカは飛び下がって、地面にひれ伏した。
「えっ…ちょっと、何…!?」
「ま、まさか!神だとは知らずっ…も、申し訳もっ…」
「えっえっ…ええっ!?」
神ぃ~!?
なんだよそれ!秋葉原のアイドルかよっ!←詳しいな…
もうそれは誤解だとスゴイ言ってみたんだけど、だめだった。
ダーオカは人を信じやすいみたいだ。
オレオレ詐欺とかにひっかからなきゃいいけど…
「もう…どうでもいいから、電話貸して?」
「デンワ…?」
「そう。電話。連絡しなきゃ…」