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ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第7章 大野の紋章~考古学者大野智の憂鬱~


そりゃ中東の人に比べたら、平たいけど…

その男の顔をじっと見た。
どこか、見覚えのある目をしている。

「…ダーオカ…?」
「えっ…なんで俺の名前がわかるんだ?」
「やっぱりダーオカなの!?俺のこと、覚えてないの?」

そう、さっきテントで初めて会ったけど…
秒で俺のこと忘れるわけないだろ!?

「お…覚えてない…」

人の良さそうなダーオカは、必死でウンウン唸って思い出そうとしている。
さっきはあんなに無愛想だったのに、一体どういうことなんだ…?

その間に、おばあさんはニコニコと俺に布切れを差し出してきた。
どうやら顔も泥まみれのようで、濡らしてある布で拭けと言っているようだ。

伸ばしっぱなしの髪の毛が邪魔くさい。
長い髪の毛を、腕につけたままの髪ゴムで縛った。

せっせとおばあさんが布切れを洗ってくれるから、顔も全身もきれいに泥を落とすことができた。

「…美しい…」
「はい…?」
「なぜそんなに、平たい顔なのに美しいのだ…?」
「…な、何を言ってるの…?」

ダーオカは俺の顔をじっと見ている。

なんだか怖くなって後ずさった。
そういえば、さっきも握手した手、離してくれなかったもんな…

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