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ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第7章 大野の紋章~考古学者大野智の憂鬱~


昨日の時点で、ホテルに電話を掛けて確かめようとしてたんだが、ニノールに止められていたんだよね。

ホテルの従業員も、一枚噛んでる可能性があるからって。

「ヘヤ、イナイ。トモダチ、カクニンシタ」
「ニノールの友達が行ってくれたの?」

俺も思わず身を乗り出して後部座席から聞くと、嬉しそうに頷いた。
あれから、ニノールは独自に調査してくれたらしい。

友達って…やっぱり元軍人なのかな?

「ホテルに居ないとなると…どっかにやっぱ監禁されてるのかな…」

相葉が不安そうに俺の顔を見た。
見られても、困る。
俺だってどうしていいんだか、わからないんだから。

「ニノール凄えな!仕事早い!さすが、元軍人。カッコいいな!」

松本がにっこり笑いかけると、煩そうに窓の外を見た。
そこには、雄大なるナイル川の姿がある。

「シゴト、キチントスル…トウゼン」
「お、おう…そうだよな…」

どこが地雷だったのかよくわからないが、とにかくニノールはそこから黙り込んでしまった。

車はナイル川を横断する大きな橋の手前で止まった。

「渋滞が酷いな…」

橋の近くでは渋滞は日常茶飯事で。
今日も例に漏れず、盛大に渋滞が起こっていた。

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