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ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第7章 大野の紋章~考古学者大野智の憂鬱~


バサッとテントの入り口の幕が開いて、松本が入ってきた。

「来ましたよ。ニノールの代わりの人」

そう言って、入ってくる後ろには、顔を布で覆った男がふたり入ってきた。
ニノールと…代わりの人だろう。

「おーのサン、オハヨウゴザイマス」
「ああ、おはよう。その人?代わりの人…ごめんね?急に…」
「イイ。かねモラエル、ウレシイ」

そっか…
職にでもあぶれているのかな…?

そう思って、ニノールの後ろに立っている男に目を遣った。

「ダーオカ」

その男は、一言だけいうと、右手を差し出してきた。

「あ、ダーオカさんっていうの?」

ニノールに聞くと、頷く。

「よろしくね。何日かかかると思うけど…」

そう言って右手を握ったら、ぎゅうっと握り返された。

「ダーオカ、かくとうぎスゴイ。アンシン」
「おお…そうなんだ…」

道理でごつい手のひらだ。
これなら安心できる。

「じゃあ、三宅さん…」

そう言って手を離そうとしたけど、ダーオカは離してくれない。
顔を布で覆っているから、目しか見えないんだが、その目がじっと俺を見ている。

「あの…離して…?」

困ってニノールの顔を見たら、無言でチョップしてくれて、なんとか手は離れていった。

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