第7章 大野の紋章~考古学者大野智の憂鬱~
次の日の朝。
ニノールの交代要員を見届けてから、カイロに出発することになったので、テントに集合した。
ここの指揮に関しては、同じ准教授の三宅さんにおまかせすることにした。
三宅さんは昨日休みで、おまけに俺たちとは泊まってるホテルも違うから、やっとテントで会えて事情を説明できた。
電話出てくんないんだもん…
「え~?本当に?翔ちゃんったら、女のとこでもシケ込んでるじゃないのお?」
この人だけは、あの櫻井教授を”翔ちゃん”呼ばわりできる。
実は教授は三宅さんに弱みでも握られてるんじゃないかと噂になってるくらい…
でも、多分違う。
この人は、誰にだってこういう態度なんだと、俺は思ってる…
「ねえ~そんなことよりさあ~おーちゃん、カイロでさお土産買ってきてくんない?日本の彼女と約束したのがあってさあ」
「そ…そんなことって…」
「そおだよ!健ちゃん!そんな言い方ないでしょっ!」
そして、そんな三宅さんにこんな口がきける、相葉。
「えーおまえ、うるさいんだよぉ」
「健ちゃん、メッ…」
「ちぇー!わかったよお…戻ってくるまでちゃんとやっとけばいいんだろお~?」
強い…
天然って、強いんだなぁ…