第7章 大野の紋章~考古学者大野智の憂鬱~
一体何を言ってるんだこいつら…
「あ、ねえ…」
もしかしたら、松本ならなんかわかるんじゃないかと思って、メールを見せてみた。
なんか、松本こういうクイズみたいなの得意なんだよね。
「はあ…?なんすか。櫻井教授から…?」
松本は画面を見て、数秒黙り込んでたけど、すぐに顔を上げた。
「た、大変だっ!」
中東人みたいな濃い顔を、焦らせてる。
「ど、どうしたんだよ!?」
「これ、助けて!って書いてありますよ!」
「えっ?えっ?」
「ほら、縦読み!一番左の行を縦読みしてください!」
相葉とふたり、頭を突き合わせて画面を覗き込んだ。
「ほんとだ…た、す、け、て…って書いてある!」
「た、た、たいへん…け、けいさつ…」
「だーめですって!そんなことしたら、こうやって櫻井教授がわざわざメールした意味がなくなりますって!」
中東人顔をますます焦らせて、松本は俺と相葉を止めた。
「へ?なんで?」
「こうやってメールを打ててるってことは、ある程度自由は保障されてるってことだ…でも、助けてと書けないってことは、内容は検閲されてるってことで…」
「た…確かに…」
「あまり騒ぐと、櫻井教授の身に危険が…」