第6章 夏の終わり
ベージュのチノパンの上から、翔にいを掴んで少し手を動かすと、あっという間に翔にいの目は潤んで…
頬は紅潮して、俺をどこまでも誘い込む。
「だめだよ…久しぶりだから…すぐ…」
「いいよ…ねえ…俺に、どうして欲しい…?翔にい…」
「え…?」
あの人には、こんなことできなかったでしょ?
俺にしか、できないでしょ?
だって、触れられるのは…
セックスは生きてる人間同士でしか、できないんだから
痩せてしまって…サイズの合わないチノパンを無理やり留めてるベルトを緩めると、トップボタンを外してファスナーを下ろした。
中に手を突っ込むと、むっと湿った中に熱い塊が居た。
そっと焦らすように塊に指で触れると、翔にいは震えだした。
「やっ…あ…出るっからっ…離し…てっ…」
「ねえ…本当はどうして欲しい…?言わないと、できないよ?」
言ってよ。その口で。
俺に、どうして欲しいか。
どんな快楽が欲しいのか…
一年前のあのときは、翻弄されるばっかりだったけど…
今度は俺があなたを翻弄するんだ
翔にいの顎を掴むと、わざと舌を出して唇を薄く舐めた。
ぶるっと震えると、翔にいの濡れた瞳は、俺の口元をじっと見つめる。