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ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第6章 夏の終わり


半隔離施設だから、面会には予約がいる。
大野さんがそのへんやっといてくれたから、施設にはすんなりと入ることができた。

入り口で住所と名前を書いて、身分証を提示してやっと中に入れる。

二重になってるドアをくぐると、施設の中は明るい。
天井に窓があって、太陽の光がいっぱい入る設計になってる。
廊下にも大きな窓があって、開放的な雰囲気だ。

この病棟の中は、入院患者は自由に行き来できる。
症状の軽い方の人が集められているんだそうだ。

でも、一個も外に出られる窓なんてないけどね。

翔にいは、比較的症状が軽いほうだというので、入り口に近い病室を割り当てられてる。

「翔」

病室のドアは開け放たれていて、大野さんが先に入っていった。

「ああ…智くん…来てくれたんだ…」

久しぶりの翔にいの声…

「今日、和也くんも来てくれたよ」
「え…?」

一つ息を吐いてから、病室の中に入った。

「翔にい…調子、どう?」
「和也…」

ベッドの上で、上半身だけ起こして座ってる翔にいは、びっくりした顔をして…

それから、顔を伏せた。

「…何しに来たんだ」
「就職活動」
「え…?」
「俺、こっちで就職活動するんだ」

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