第6章 夏の終わり
「和也くんが帰る頃が…限界かな…」
あれから一週間ほどは、翔にいのためにバタバタと動いていて、相葉先生や大野さんとはゆっくり話す時間が取れなかった。
その次の日曜、相葉先生も休みが取れて、大野さんの家に集合して、やっとゆっくりと話すことができた。
翔にいはまだ、眠ったままだ。
俺のアヘン疑惑については、なんとなく…
もう誤解してないのかな、と思ってる。
「え…?」
「櫻井のおじさんたちや、和也くんのお母さんに黙っているのも、限界だろうと思う…」
「でも…話してしまったら…」
「ああ…大事になるだろうね…でも、翔が回復しなきゃ…正式に専門の入院させないとならないと思う…ここでできることも、限界があるから」
「そうだよね…雅紀がいくら医者だからって、ずっとここで翔の面倒見るわけにも行かないよね…患者は翔だけじゃないんだから…」
そうか…そうだよね…
相葉先生も大野さんも、翔にいの幼馴染で友達だから、ここまでしてくれてる…
でもそれに、いつまでも甘えることはできないんだ。
頼ることは、できない。
「…そんな顔すんなよ…和也くん…」
「あ、いえ…すいません。俺、でも…何ができるかって思ったら…」