第6章 夏の終わり
朝食を食べると、相葉先生は仕事に向かった。
大野さんも、これから仕事みたいで、俺は翔にいの部屋にまた入ることになった。
「俺も雅紀も、昼間はここにいることができないから…和也くん、頼むね…」
大野さんは朝から仕事をしてて、昼過ぎに帰ってくるということだから、それまでは翔にいとふたりきりになるみたいだ。
夕方には、また相葉先生もくるということだ。
大野さんが俺のスマホを取り出した。
「これ…置いていく。翔が目を覚ましたら、俺か雅紀に連絡してほしい」
そう言って、大野さんの番号を教えてくれた。
「…わかりました。必ず、連絡します…」
そう、まっすぐに目を見て言うと、大野さんは少し強張った表情をした。
「翔の容態が安定したら…翔の家に、探しに行かなきゃならないんだ…」
「え…?」
「アヘンとか…色々…」
「あ、ああ…そうですよね…」
「その時は、和也くんにも手伝って貰うから」
そう言うと、俺の表情を観察するようにじっと見つめてきた。
「はい…お手伝い、します」
そう言うと、ちょっと安心したのか、笑ってくれた。
「じゃあ、部屋に入って」
翔にいの眠る部屋に入ると、外側から鍵を掛けられた。
一体…これからどうなるんだろう…