第6章 夏の終わり
朝、揺り起こされて目が醒めた。
俺は翔にいのベッドに入ってて、翔にいを腕に抱きしめたままだった。
「和也くん…」
ベッドの横で大野さんが俺たちをみて、なんとも言えない表情で立っていた。
「あ…おはようございます…」
不思議と、焦ることもなく…
翔にいを起こさないよう、体を起こすと挨拶してた。
「…夜中、翔が暴れたの…?」
「いえ…そういうわけじゃないんだけど…」
大野さんはしばらく黙っていたけど、朝食ができてるからおいでって言ってくれた。
そっと翔にいの体にタオルケットを掛けると、ベッドから出た。
部屋を出ると、大野さんはドアに鍵をかけた。
リビングに行くと、相葉先生が身支度してるとこだった。
「おはよう。なんともない?」
「おはようございます。なんにもなかったです」
てっきり、翔にいのこと聞かれたのかと思ったけど、相葉先生は俺の体を診察し始めた。
「…和也くん、苦しくない…?」
「大丈夫です…」
やっぱりまだ、俺がアヘンを吸っていたと思われてるみたいだ。
「しばらく、観察させてもらうからね…」
「はい…」
少しキツイ口調だったけど…
でも、先生は本当に翔にいのこと心配してるんだって思うから…
素直に頷けた。