第6章 夏の終わり
その夜は、風呂に入らせてもらったり、いろいろと聞かれたりで、気がついたら深夜になってて。
念の為ってことで、翔にいの寝てるベッドの下の床に布団を敷いてもらった。
そこで今日、寝ることになる。
まだ俺のアヘン疑惑は払拭できたわけじゃなかったから…
この部屋は、ドアを外側から施錠できるようになってて、窓はあるけども雨戸が閉まってて、内側から開かないようになってるってことだった。
外部と連絡取られると、困るからって…俺のスマホは大野さんが持ってることになった。
「ごめんね…和也くん…」
「いえ…」
しょうがない、と思った。
ここに残った本当の理由は、言えなかった。
それは俺自身の保身なのか…それとも、これから先もここで生きていかなきゃいけない翔にいのためだったのかは、正直わからない。
俺のことなんて、どう思われたっていいって…
そうは思うんだけど、翔にいとしてたことを知られたら、今すぐここから追い出されそうで…
そうしたら、翔にいの傍にいることができなくなってしまう。
「トイレは、行きたくなったらここ使って…それと、夜中に翔になにかあったら、壁を叩いたり大声出してくれたら、すぐ来るから…」
部屋の片隅には、ダンボールで作ったスペースがあって。
そこに置かれてるバケツを見たら、なんとも言えない気分になった。