第6章 夏の終わり
食べてる間、大野さんと相葉先生が色々と話しをしていた。
「…とりあえず、離脱症状とかあるから…」
「ああ…あの部屋に閉じ込めておくしかないな…」
「完全に抜けるまでは時間かかると思う…役場にも連絡しとかないとな」
「それは、雅紀の方でやっておいてくれる?」
「うん、やっておく」
ちらりと大野さんは俺を見た。
「和也くん、学校は?」
「え…?」
「まだ夏休みなの?」
「あ、はい…9月の終わりまで休みです…」
「そう…じゃあ、まだ大丈夫だね」
大野さんはカレンダーを見上げた。
相葉先生は頷くと、俺をまっすぐに見た。
「翔をアヘンから遠ざけるから…君も協力してもらうよ」
「えっ」
「多分どこかに、芥子から取った抽出液を加工したのがあるはずだから…翔の家に探しに行かなきゃ…」
「あと、どっかに芥子の畑作ってるはずだ…」
大野さんがぽつりと呟いて、下を見た。
「あの花壇にある分じゃ…たったあれだけじゃ、使えるほどの抽出液は取れないはずだから…」
「そっか…」
「種もどっかにしまい込んでると思うから…それを探して焼かなきゃならない」
大野さんは頭をぐしゃっと掻いた。
「どうしてこんなこと…」