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ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第6章 夏の終わり


「吸ったんだね…?」
「い…一回だけ…」

相葉先生はため息をつくと、俺を座らせた。
すぐに目とか脈とか、軽く診られて…

「ほ、本当なんです…俺、風邪で酷い熱のときに、多分一回だけで…」
「そう…」
「知らなかったんです…あれがなんなのかも…」

その時、大野さんがリビングに入ってきた。
お盆にカップラーメンを載せている。

「まあ、そうだろうね…じゃなきゃあんなとこに、道具出しておかないよね…」
「雅紀…」
「ああ…智、この子もちょっと疑いあるから…やっぱり翔の部屋に寝かそう」
「いいけど…」

大野さんが俺を見下ろした。
ものすごく気の毒そうな目で…

「ち、違うんです!本当に多分あの一回だけで…」
「…じゃあ、なんでこんな田舎に、大学生の君が一人で残ったの?車もないのに…」

相葉先生が鋭く質問してくることに、答えられない。

「それ…は…」

翔にいと一緒に居たかったからだって…そんな事、言えるわけなかった。

「まあまあ、雅紀…とりあえず、ご飯食べさせてあげようよ…」

大野さんがとりなしてくれて、なんとか解放されたけど…

カップラーメンの味なんかわからなかった。

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