第6章 夏の終わり
相葉先生は、暫く翔にいの居る部屋にいた。
大きなカバンを持ってきていたから、診察しているみたいだった。
しばらくすると、俺と大野さんがいる部屋に入ってきた。
ちょっと疲れた顔をしてた。
「とりあえず、目を覚ますまではそっとしておこう…」
「ああ…なんか、飲む?」
「うん…和也くん、お腹減ってない…?」
そういえば、ずっと何も食べていない。
そう聞かれた途端にぐうっとお腹が鳴った。
「はは…なんか作るよ。インスタントだけど…」
「す、すいません…」
大野さんがキッチンでご飯を作ってる間、リビングで相葉先生に色々と聞かれた。
「風邪はもうすっかり良い?」
「あ…そういえば…」
あんなに苦しかったのに、いつの間にか治ってたみたいだ。
そういえば…あのとき、吸わされた煙…
あれが、アヘンってやつだったのか…?
あれを吸った瞬間、体が楽になった気がした。
でも、その後の頭痛とかも酷かったけど…
「…和也くんさ…」
急に相葉先生の声が、低くなった。
「なんで、残ったの?こんな田舎に…」
「…それは…」
「もしかして、翔にアヘン吸わされてたんじゃないの?」
思わず腰を浮かせて逃げようとした。
でも、相葉先生に腕を掴まれて、逃げられなかった。