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ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第6章 夏の終わり


「あの…?」
「ごめん。この人も翔ちゃんの幼馴染なんだ」
「え…はい…」

誰にも言わないでって言ったのに…
なんで他の人なんか…

「ごめん。和也くん…ちょっと確認したいことがあって。だから連れてきたんだ」

男の人は黙って立ち上がると、俺の方を見た。

「…はじめまして。大野です…」
「あ、どうも…」

それだけ言うと、枯れて茶色になった植物の残骸を手に取って、相葉先生に差し出した。

「やっぱり、そうだよ…」
「そっか…」

なに…?なんなの…
ふたりとも凄く深刻な空気で、何も言わない。

「あ、あの…それより、翔にいを…」
「…ああ…」

大野さんを花壇に残したまま、相葉先生だけ家に入ってきた。
翔にいの部屋に行くと、まだ翔にいは眠っていた。

「…この匂い…」

相葉先生が部屋に入った途端、口を覆った。

「和也くん、この匂い何かわかる?」

翔にいの傍に跪きながら、相葉先生が呟いた。

「え…?」

翔にいの布団の横に、出したままになってた、あの壺と缶を相葉先生は凝視した。

「…君、吸ってないよね?」
「なんのことですか…?」
「アヘンだよ」
「えっ…」

相葉先生は布団を捲くりあげた。
翔にいを抱き上げると、部屋を出ていった。

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