第6章 夏の終わり
昼の明るい光の中で見る翔にいの顔は…
酷く窶れてて。
やっぱり、ただ痩せただけじゃないって思った。
なんかある。
でも、それが一体何なのか…
いくら考えても、俺にはわからなかった。
いや…もしかして…
あの人…
あの人のせい…?
でも、あの人は”助けて”って俺に伝えた。
だから、もっと違う理由…?
翔にいの部屋の布団に、服を着せてから寝かせて。
ずっと傍に付き添った。
寝顔は穏やかで…
セックスしてるときの妖艶な翔にいと、とても同一人物とは思えなかった。
昼近くになっても目が覚めないから、どうしたらいいかわからなくて…
相葉先生に連絡してみようと思った。
スマホで相葉医院の番号を調べて、電話してみた。
でも繋がらなくて…
昼休みなのかな?って思って、スマホの時計をまじまじとみたら、今日は日曜で。
「あ…休みなのか…」
いつの間にか、日付も9月になってて。
もうそんなに日が経っていたのかと驚いた。
それほど、俺は翔にいの体に溺れきってて…
それしか頭になかったんだ。
しばらくスマホの画面を見ながら呆然としていると、突然知らない番号から着信があった。
「わっ…」
びっくりしたけど、慌ててスワイプして出た。
「も…もしもし?」
『もしもし?相葉ですけど、電話貰いました?』
「相葉先生っ…!」
着信履歴から、折り返してくれたようだった。