• テキストサイズ

ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第1章 仄暗い奈落の底から -sequel -


アパートに帰ると、智は俺の部屋に来た。
毎日、どっちの部屋に帰るかは、決まって居なくて。
どちらも生活できるように、ちゃんとお互いの親がいろいろしてくれてたから、使わないでいるのも悪いし…

だからお互いの部屋を行ったり来たりしてた。

「お風呂、入るでしょ?」
「うん…」

古くて狭いけど、このアパートは風呂とトイレが別で助かってる。
お湯を落として戻ってくると、智はカーペットの床に寝転がってた。

「智…寝ちゃだめだよ?」
「んー…」

1Kの狭いアパート。
居間にしている部屋は、ベッドを一つ置くといっぱいで。
そんな狭い床の上で、智は丸まってる。

小さくなってる背中をそっと撫でた。

「…大丈夫だよ…智…」
「うん…」
「もしも嫌われてたとしても…俺たちがきちんと生きていけば…そのうち翔ちゃんだってわかってくれるよ…」
「ああ…」
「時間を、掛けよう…?」

苦い思いが、胸の中に広がる。

もしも嫌われていたら…

そんなはずはないと思う。
翔ちゃんと俺たちの関係は、そんなものじゃなかったと思う。

だけど…現実は…
これだけ避けられていたら、自信もなくなってくる。

親や兄弟は認めてくれたけど…
潤や雅紀もなんとなく受け入れてくれてるけど…


俺たちは、男同士で

翔ちゃんも…男


普通じゃ…ないことくらい、わかってる。

/ 831ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp