• テキストサイズ

ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第1章 仄暗い奈落の底から -sequel -


微妙な空気にはなったけど、雅紀がなんとか盛り上げてくれて。
会が終わる頃には、雅紀も潤も酔っ払って陽気に笑ってたから助かった。


「ごめん……」

帰り道、智がしょんぼりと謝ってきた。

「なに謝ってんの…」
「うん…」

夜の商店街はガランとして…人通りもなく…
俺と智の間は、ちょっとだけ隙間がある。

「焦らないの…智…」
「…わかってる…」
「探偵さんの調査が終わるまで…ね?」
「うん…わかってるんだけど…」

ほうっと息を吐き出した。
今晩は冷えていて、息が白い。

「翔くんが…泣いてる気がする…」
「智…」

急に智が立ち止まった。

「…でも…」
「ん…?」
「嫌われてたら…どうしようもないのにな…」
「うん…」

なんで…翔ちゃんが急に俺たちを避け始めたのか。
理由は一切わからない。
わからないけど、あの時俺達の間にあった変化…

それは俺と智が付き合い始めたこと。

もしかして、翔ちゃんはそんな俺たちを軽蔑してるのかもしれない。
男同士なのに、異常だって思ってるのかもしれない。

俺たちは…大事な人を失ったのかもしれない…

「帰ろ…?智…」

そっと手を握ると、冷え切っていた。

「うん…和也…」

/ 831ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp