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ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第6章 夏の終わり


俺の布団の横に座ると、トレーを横に置いた。

「昼も帰ってくるから…夕方、病院行こうな」
「え…大丈夫だよ…」
「だめ。病院行かないと、治らないだろ?今日は午前はどうしても外せないから、おとなしく寝てろ」
「いいのに…」

そういうと、にっこり笑って俺の頭をポンポンと撫でた。

「いい子にしてろよ」
「ガキじゃねえんだけど…」

そう言って剥れると、ますます笑われた。

「じゃあもう行くから…」

そう言って立ち上がろうとした翔にいの腕を思わず掴んだ。

「和也?」
「あ…」

やっぱり…
なんだか、寂しいのかな…

どこにも行って欲しくなくて…

最初びっくりした顔をしてたけど、翔にいはまた笑ってくれて…

「寝てろ…寝てたらあっという間だから…な…?」

そう言って、俺の額にキスしてくれた。

「え…?」
「じゃあ、行ってくる」

額を押さえたまま、呆然としてる間に翔にいは座敷を出ていった。

玄関を開け締めする音が聞こえて、車のエンジンの音が遠ざかると、セミの鳴く声だけが聞こえた。

「うそ…」

翔にいから…そういうことしてくれるなんて…

「うそ…うそ…」

嬉しすぎて、なんか出そうだった。

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