第3章 デートをしよう
食後は露店を巡りながら買い物をする
途中でスイーツを買ったり、大道芸を見たり楽しみは色々だった
そう、とても楽しいのだが…
「ほら、危ないな」
そう言ってシヴァに腰を寄せられると、ついドキッとしてしまう自分がいる
それだけではない
アイスを食べていた時
「一口、味見したいな」
そう耳元で囁かれ、ゾクゾクしてしまい、挙げ句のはてにアイスを落としてしまったのだ
シヴァは怒るでもなく、むしろクスクスと笑いを殺しているようにも見える
そんなこんなで、あっという間に空が暗くなっていた
満月が輝き、街は昼間と雰囲気が変わる
初めてのデートに緊張しっぱなしのユーリはそっとシヴァを見上げていた
「どうした。疲れたか」
「平気です」
首を横に振れば、そっと抱き寄せられる
ちょっぴり疲れたのは事実だが、まだ帰りたくなかった
この時間を終わらせてしまうのは勿体ない気がしたのだ
「ユーリ、夜も俺の決めた店で食事でいいか」
「はい、シヴァ様」
街に出ることは珍しくないが、ユーリはあまり店をよく知らなかった
いつも仕事が終わったらすぐにシヴァの元へ帰っていたからだ
「おいで」
腕を引かれ、シヴァの横に並んで歩き出す
夜はまだこれからだ―――