第3章 デートをしよう
「はぁ…なんで話がそんなに飛躍する。俺はディーンたちと酒を飲みに来てたってだけだ」
「え…お酒…ですか?」
それはそれでキョトンとしてしまう
シヴァが酒を飲んでるのは見たことが無いからだ
「人並み程度には飲むが」
「し…知らないです…。今まで一度も飲んでるお姿なんて…」
「まぁな。ユーリは酒が苦手だろ。だから当然お前の前で飲むわけがない」
「えっ!?私、お酒が苦手なんですか!?」
目をパチパチさせる
初耳すぎて頭が追い付かない
「結構前だが…俺が酒を飲んで帰ったらお前に臭いと泣かれた事がある」
「そ、それって十年前くらいの話でしょうか…?」
「俺が成人したばかりだから、八年前か」
「わ…私のばか…」
全く記憶にない
しかも律儀にシヴァは酒を遠ざけてくれていたのだ
てっきり酒もタバコもやらないのだと思っていたのだが…
「シヴァ様…申し訳ありませんでした。その…今は匂いくらいで泣いたりしないので我慢なさらないでください」
「そうか。ふむ、ではそうするとしよう」
はぁ…
小さくため息を吐く
昔の自分をひっぱたいてやりたいくらいだ
せっかくのデートなのに初っぱなから落ち込んでしまいそうだった
しかし直ぐに前菜が出てきて、ユーリは簡単にご機嫌になっていた