第3章 デートをしよう
午後の城下街はとても活気づいていた
多くの出店が並び、人々が買い物で溢れている
「お腹が空いたな。まずは飯だな」
「はいっ」
腕を組んだまま歩くと、シヴァの目的の店に到着する
そこは海鮮料理の美味しい店らしい
店内はやはり賑わっていて、タイミングよく空いた席に通される
キョロキョロとしたユーリを見てシヴァは何故か嬉しそうに笑う
「そんなに珍しい店ではないと思うが」
「あ、いえ。シヴァ様がこのように街の飲食店に来られるなんて考えたことも無かったので、新鮮だなぁと思いまして」
仕事ばかりしているシヴァは、いつも城内で用意される食事を食べていたし、外食なんて話は聞いたことが無かった
貴族の子息が通う店とは少しイメージがかけ離れていて意外だ
「隊長になる前はもっと自由だったからな。よく抜け出して街に遊びに来たもんだ」
「えぇっ!?そ、そんなの初耳です…!」
ずっと一緒にいたのに今さら知らない事が発覚
ちょっぴりショックだ…
「ユーリには言って無かったな。もし言ったらお前も付いてくるって騒いだだろうし」
「な…っ、てことは…私には言えない店に通っていたってことですか…」
ユーリはシヴァが娼婦の店へ通う姿を想像し、多大なショックを受ける