第3章 デートをしよう
それからしばらくして、ユーリはいつも通り女の姿になっていた
変化を初めて見たレイラは少し驚いたものの、あまりにも一瞬だったのでもっと見たかったと言われてしまう始末だ
「とりあえず髪をセットしましょう。ちゃんとピアスが目立つようにしないとね」
そう言ってレイラは綺麗に髪を結い上げてくれた
耳元のピアスがキラリと輝いて眩しい
「よし、完璧。さぁ、きっと隣の部屋ではシヴァ様が首を長くして待ってるわよ」
「そ、そうかな」
ドキドキしながら鏡の前で一回ターンをする
見事にワンピースは似合っていた
「シヴァ様、お待たせしました」
ドアを開けて政務室を覗けば、仕事をしていたシヴァが顔を上げる
「あぁ。随分と可愛くなったな」
「なっ…」
優しく微笑むシヴァを見て、ユーリは顔が熱くなる
その後ろではレイラがやれやれとため息を吐いていたが、二人は全く気づいていなかった
「では行くか」
そう言って机を片付けるとシヴァは腕を差し出す
ユーリはためらわずにその腕をそっと取った
「ごゆっくりー」
「レイラ、ありがとうね」
ちゃんとレイラにお土産を買ってこよう
ユーリはそう決めて隣を歩くシヴァを見上げた