第3章 デートをしよう
「それにしても、久しぶりに見たわね。ユーリの男の姿」
「そ、そうかな」
そう言われると、確かにレイラと会うのは午後が多い
「しかも男の姿なのに、そんなに顔を真っ赤にしてデートを楽しみにしてるってことは…なるほどねぇ」
「うぅ…」
レイラにはユーリの気持ちなんてお見通しのようだ
説明しなくても理解してくれるのは嬉しいやら恥ずかしいやら…
「まぁ、いいわ。それにしても、デートだなんて。初めてじゃない?」
「うん。シヴァ様、仕事ばかりしてるから。午後から休みなんてすごく珍しいんだ」
「なるほどねぇ。なんか…ちゃんとユーリのこと考えてますって態度が気に入らないわ」
レイラはカバンから服を出しながら歯軋りをする
「え、レイラ…?」
「そりゃぁね、今までは仕事してたら当然一緒にいられたんでしょうけどね。もちろん、仕事ばっかりやるわよね。でも、恋人になったってことはデートだって当然できちゃうわけで…」
レイラはブツブツと呟く
とりあえず話を変えようとしてユーリはレイラの手元を覗きこんだ
「レイラ、今日も服いっぱいだね」
「当然よ。初デートよ。誰よりも私がユーリをプロデュースしたいに決まってるじゃない」
「あ、ありがとう…」
正直女用の服はわからないため、レイラ頼みだった