第3章 デートをしよう
「まぁ。相変わらずのイチャイチャっぷりね」
サラが呆れたような声を出す
そう言えば昔、何度かシヴァに「お前は俺のものだ」と言われたことがあった
当時は俺の部下と言われてるつもりだったし、自分だけが特別な気がして深くは考えてこなかったが…
「俺がどれだけ虫除けに苦労してきたと思っているんです」
「知ってるわよ。ユーリに近づく男を手当たり次第蹴散らしていたことくらい」
「必要とあらば女も排除してきました」
「あらやだ。そんな男が隊長だなんて。この国は大丈夫かしら」
「平気でしょう。ユーリが絡まなければ俺は何事にも平等に対処できてますから」
「……まったく。誰に似たのかしらね」
シヴァの腕の中、繰り広げられる会話にユーリは耳を疑った
先ほどの会話といい、今の会話といい…
これでは本当に昔からシヴァとユーリがカップルだったみたいな話だ
猛烈に恥ずかしくなり、ユーリは両手で顔を覆う
「まぁいいわ。それより、これ。頼まれていたものよ」
そう言ってサラが置いたのは小さな手のひらサイズ程の箱だった
「郵送で構わなかったのですが」
「だめよ。こんな重要なもの。他人に任せられるわけないでしょう」
「そうですね。確かに受けとりました」