第3章 デートをしよう
「ごほっ…サラ様…何を言って…」
ユーリは慌てて口元を拭う
シヴァと結婚なんて図々しい考え、贅沢すぎる
「あら。だって、この国はまだ同性婚はダメでしょう。だから二人の事、心配だったのよ」
「な、何を…」
「そうだぞ。法律なんて簡単には変えられないからな。二人とも一生未婚なのは可哀想だとサラと話をしていたんだ」
「ドーノン様まで何を…!?」
かぁっと顔が赤くなる
これじゃぁまるで…
「えっ?二人は十年前から付き合っているのよね?」
「なぁっ!?」
とんでもない勘違いをされていた
しかも何故か二人の中では確定事項のようで…
「お、お待ちください!シヴァ様が私となんて…そんな大それた事、ありえません!それに十年前って、私はまだ五歳ですよ!?」
「やぁね。あれだけイチャイチャしておいて、隠さなくていいわよ」
「うんうん。お前たちはいつも二人だけの世界だったからな。シヴァが家督を弟に譲ると言い出した時も直ぐに納得できたわい。シヴァはユーリ以外を相手に迎えるつもりはないのだとな」
「そ、そんな…」
ぼっと顔が熱くなり、思わず両手で抑える
イチャイチャなんて記憶にない
だが、周りからはそう見えていたというのだ