第3章 デートをしよう
「ユーリっ!!」
昼食後、政務室に戻ったユーリを出迎え、激しい抱擁をしてきたのは一人の貴婦人だった
驚いてユーリも声をあげてしまう
「…サラ様!?」
「私もいるぞ、ユーリ~」
「えっ、ドーノン様まで!」
ユーリは驚いて目を見開く
やっと解放され、二人はユーリの前に立つと優しく微笑んだ
そう、このお二人はシヴァの両親である
とても四十代には見えない若い二人は、会うのが久々だというのに変わったところはひとつもない
そして突然シヴァが拾ってきたユーリを快く受け入れてくれた人たちでもある
ユーリは正式にシヴァの秘書になるまではシヴァの実家に寝泊まりさせてもらっていたのだ
「ユーリったら、本当に可愛くなって」
「サラ様…くすぐったいです」
サラに頬を撫でられ、むずむずしてしまう
一方、ドーノンも触りたいが必死に堪えているといった状況だ
「それで、どうしてお二人はこちらに?」
紅茶を出し、一息ついてもらった所でユーリは切り出した
何度か手紙はいただいているが、急に来られたのは初めてだったのだ