第2章 魔女の逃亡
「なんて顔をしている」
目の前に立ったシヴァに頬を撫でられ、それだけでゾクゾクした
自分がどんな顔をしているかなんてわからない
だが、もっと触れて欲しくてユーリはシヴァの手に自分の手を重ねた
「シヴァ様…」
自ら誘うようにシヴァの手にキスをする
わずかにシヴァは驚いたようだったが、そのまま続けさせた
「んっ…んんっ」
わざとリップ音をさせ、手のひらに、指にキスをする
それだけで体は熱を持ち、気がつけば舌で指先をなぞるように舐めていた
「はぁっ…んっ、シヴァ様っ…」
指先に吸い付けば、ちゅぱっと音が部屋に響く
部屋は薄暗いが、ユーリは耳まで真っ赤になっていた
こんなはしたないこと、するつもりではなかった
それなのにシヴァのゴツゴツした大きな手を見たら我慢できなくなったのだ
触れたくて、舐めたくてたまらない
「ユーリ…。一体どこでそんなことを覚えてきたんだ」
「んんっ!」
不意に指が動かされ、舌をなぞられる
濡れた指はユーリの唇を撫で、わずかな灯りでテラテラと輝く
「答えるんだ、ユーリ。どこで男を誘う術を身につけた」
濡れた指は再び舌をなぞる