第2章 魔女の逃亡
ベッドに座り、ぼーっとしてしまう
静かな夜のため、シャワー室から聞こえてくる音にすらドキドキしてしまった
「ユーリ、お前さえ良ければこのまま待っていて欲しい」
優しく耳元で囁かれ、ユーリは頷くしかなかった
腰に力が入らなくなったユーリをベッドに座らせ、シヴァはシャワー室へと消えたのだ
「シヴァ様…」
両手で頬を押さえる
自分でもわかるくらい熱を持っていた
「あぁん、それにしても拷問っ」
ユーリはベッドに突っ伏すと自分を抱き締める
キスだけであんなにトロトロにされて、待てを言い渡され、体が辛い
早く触って欲しくて、激しく抱いて欲しい
ユーリはシヴァに抱かれる自分を想像して悶絶した
シヴァは待っていて欲しいと言っただけで、別に抱くとは言っていない
それでも期待していた
もしシヴァがユーリに手を出さなかったら逆に襲ってしまいそうだ
それからの時間が永遠にも感じた頃、パタンとドアが閉じる音がしてユーリは顔を上げる
そこにはガウンを身にまとい、タオルで頭を拭くシヴァの姿があった
ゆるく開けられたガウンからはたくましい体がのぞき、わずかな灯りに照らされて色気を発していた
なんて…ずるい人
その色香に惑わされ、ユーリはまたしても欲情した