第2章 魔女の逃亡
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その後、シヴァは魔女の捜索に出てしまったため、ユーリはレイラと政務室に戻る
レイラは城中を歩いて回りたいと提案したのだが、シヴァが当然許すはずが無かった
「なによ、あの男は。独占欲丸出しでカッコ悪い。ユーリってば、何であんな男がいいわけ?」
レイラは不満をこぼしながら紅茶をすする
シヴァのどこがいいか
改めて言われると照れてしまう
「シヴァ様、皆に誤解されやすいんだけど…。本当はすっごく優しいんだよ」
「ユーリ限定でね」
「とても頼りになるし、仕事だってきっちりやるし」
「ユーリがいる時だけね」
「そ、そんな事ないよ!」
聞き捨てならないとユーリは立ち上がる
それでもレイラは優雅に紅茶をすすっていた
「たまにディーン様が愚痴るのよ。ユーリが街へ出てるとシヴァ様が仕事をしないって」
「そ、そんなバカな…」
「ディーン様の心労を増やして欲しくはないからね。私から言えるのはあんたたちはずっと一緒にいればいいってことよ」
「ずっとって…」
シヴァとの未来を想像し、思わずにやけてしまいそうになる
レイラの言うずっとはシヴァの秘書としてって意味なのだろうが、この体だとつい乙女チックな妄想をしてしまうから怖い