第2章 魔女の逃亡
レイラの話だと、ディーンの許可無く異性が私的に話しかけるのは禁止らしい
勝手に話しかけるのは自殺行為なんだとか
しかも、レイラの一言でディーンの家が動き、話しかけた男の一家をまるごと潰してしまうことだってできるのだとか
「…一家まるごとって、大げさじゃない?」
驚くユーリを見て、逆にレイラも驚く
「何を言ってるのよ。権力のある家柄とお付き合いするとはそういう事なの。ディーン様もシヴァ様も王族に次ぐ権力ある家柄よ。もちろん、彼らはむやみに権力を振りかざしたりしないでしょうけど」
「えっと…なんだか私には貴族の話ってちょっと難しいかも」
「だめよ、ユーリ。あなただってシヴァ様の後ろ楯を得ることになるんだから。ちゃんと学んだ方がいいわ」
「ますます意味がわからないよ」
ユーリは痛くなってきた頭を押さえるが、レイラはそれ以降も色々な事について教えてくれた
ありがたいような、ユーリにはどうでもいいような話に疲れたが、誰も話しかけてこないのは助かった
女性たちですら話しかけるのを躊躇っているようにも見える
「ふふん。あの男たち、ばかねぇ。美人の私に話しかけるか、可愛いユーリに話しかけるか悩んで結局何もできていないじゃない」
そう言うレイラは確かに美人だ
ちょっと変わっているが…