第2章 魔女の逃亡
「うん、完璧ね」
髪をハーフアップにされ、可愛らしいワンピースをまとったユーリは貴族のお嬢様に見える程だった
「靴もぴったり。この高さなら長身のシヴァ様と並んでも不自然じゃないわ」
満足そうにレイラが頷く
かかとの高い靴を履くのは初めてだが、少し嬉しい
「ありがとう、レイラ。僕…じゃなくて。私、レイラがいてくれなかったら何もできなかった。」
「いいのよ。お礼はシヴァ様に言って。お金はシヴァ様から頂いてるから」
「えっ?」
驚いて目を見開く
てっきりこれらは借り物だとおもっていたからだ
「あっ、もちろん、ユーリのためだもの。友達価格でかなり割引してるからね」
「わ、私が払うよ!いくら?」
「だめよ。これは私とシヴァ様の商売だもの。いくらユーリでも教えられないわ」
「そ、そんな…」
まさかシヴァにそこまでしてもらっているとは思わず、自分の能天気さが嫌になる
そんなあからさまに落ち込んだユーリを見て、レイラは腰に手をあてた
「なら、シヴァ様の元へ行きましょ!そしてその可愛い姿を見せるの!」
「ダメだよ。出るなって言われてるんだもん」
「いいじゃない。シヴァ様だってこんなに可愛いユーリが来てくれたら喜ぶに決まってるでしょ」