第2章 魔女の逃亡
慌てて鏡を確認する
キスマークは確かに首にも付けられていた
「レイラ…これ…」
「数日で消えるわよ。まぁ、女になったユーリが他の男に狙われそうで心配って気持ちはわからなくも無いけどね」
「そ、そうかな…」
真顔で言われ、ユーリは照れてしまう
シヴァに心配かけているのに嬉しいと感じてしまうのだ
「とりあえず着替えるわよ」
そう言いながらレイラはユーリの後ろに回るとブラジャーを胸にあてがう
「それで?ユーリはずいぶん幸せそうじゃない。ひょっとしてシヴァ様にプロポーズでもされた?」
「ぶっ!な、なんでそうなるの!?」
「違うの?この国って同性愛は認められてるけど、結婚はまだダメだからね。てっきりユーリが女になってプロポーズしたのかと」
そんな事あるわけない、と思いつつ、つい自分の花嫁姿を想像してしまう
想像の中の自分は当然女だった
「じゃぁ、とりあえずお付き合いからって感じかしら?」
「…ち、違うよ。付き合ってなんてないから…」
「はぁ?」
レイラは手を動かしながらも呆れた声を出す
「なんでよ?シヴァ様、ユーリにベタ惚れじゃない」
「そんなこと無いよ!ぼ、僕の片思いだから…」
「……は?」
またしてもレイラはぽかーんとして固まった