第2章 魔女の逃亡
「とりあえず脱がすわね!」
爛々と目を輝かせたレイラに服を剥ぎ取られる
抵抗しても無駄だと悟ったユーリはされるがまま…のつもりだったのだが…
「レイラ?」
目の前のレイラは固まっている
そしてその視線はユーリの胸に釘付けになっていた
「…レイラ、何かおかしい?」
昨日と何か違うのだろうか
そんな不安から自分の体を見下ろす
「はぁ…違うのよ。シヴァ様の手の早さにちょっと驚いただけ」
「えっ?」
「コレよ、コレ」
胸をツンと指で指される
そこには赤い花びらが散っていた
「アザ…?昨日も今朝も無かったのに」
胸元にいくつものアザ
今朝、男の体にはそんなものが無かったため、いつぶつけたんだろうと首を傾げる
するとレイラはまたしてもため息を吐いた
「ばかねぇ。それはキスマークよ」
「なにそれ??」
「簡単に言うと、俺のものだっていう男の醜い主張ね」
「俺の…もの…?」
首を傾げたままのユーリにレイラは続けた
「つまり、ユーリは俺のものだから誰も手を出すなって言ってるようなものよ。よく見たら首にも付けられてるじゃない」
「えっ…えっ!?」
「あんた達、デキてるって噂は本当だったのね」
レイラの呆れ顔とは対照的に、ユーリの顔は真っ赤になる