第1章 魔女の禁忌魔法
「勝手に私の店を潰して!ふざけるんじゃないよ!」
「なら許可を得ればいい。ちゃんとした手続きと、一定額を払えば誰でも店は出せる」
「その金が無いから自分で店を出したんだって何度も言っただろう!!」
「街には秩序が必要だ。勝手な事をするやつらが増えれば街からは秩序が失われる。俺たちはそれを阻止しなくてはならない」
淡々と答えるシヴァに魔女の怒りは頂点に達したようだ
「なに言ってんだ!!あんたなんか女を侍らせて仕事をしてるじゃないか!そんなことが許されてたまるか!」
「……へ?」
間抜けな声を出したのはユーリだった
魔女と目が合っていたため、驚いてしまう
と同時にショックを受けていた
女を侍らせてって言われた…
思わず項垂れる
女と間違えられるのは慣れっこだったが、シヴァが女を従えて仕事してると勘違いされるのは嫌だった
「勘違いするな。こいつはおと…」
「うるさい!こうなったらお前を男に変えてやる!!」
魔女が騎士を振り切り叫ぶ
意味がわからず立ち尽くしたユーリに魔女は杖を向けた
そして何か呪文のようなものを叫ぶと、辺り一面が光に包まれる
眩しくて目を瞑ると
「ははははっ!!性転換の魔法だ!!騎士ばっかりいい思いなんてさせないからな!!」
光の中、魔女の笑い声だけが響いていた