第2章 魔女の逃亡
それからユーリはレイラが来る事を考え、急いで窓を開けて換気する
先ほどの事を悟られたくなかった
いくらレイラとはいえ、知られるのは恥ずかしすぎる
そして換気から数分後、侍女が昼食を用意してくれた
ひとりぼっちでそれを食べていると、今度はレイラが姿を現す
「やぁーん!ユーリってば、本当に女の子のままだわ♪」
ぎゅーっと抱き締められ、少し苦しい
「レイラ、離して。僕、今朝はちゃんと男に戻ってたんだよ」
「聞いたわ。また女になったんですってね。私はシヴァ様からの伝令でここへ来たのだけれど、途中で侍女があなたが女になってるって言いふらしているのを見たわ」
「そう…」
侍女といえば先ほど昼食を持ってきてくれた人しか心当たりが無い
城の噂は早いため、きっと今頃知らない人はいない状態だろう
「まぁいいわ。私は昨日、すっごい後悔したのよ。ユーリをプロデュースしきれなくて!だからね、今日はちゃんと持ってきたのよ」
じゃーん、と言ってレイラは見慣れない衣類を取り出す
「レイラ、これは?」
「ブラジャーよ。女性の胸に当てる下着」
「えっ?女性の下着ってコルセットじゃないの?」
「ドレスの時はもちろんコルセットよ。でも窮屈だからね。普段からコルセットは時代遅れよ!」