第2章 魔女の逃亡
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「いいか、大人しくしてろよ」
シヴァにぽんと頭を撫でられる
ユーリはソファに座ったまま頬を染め、シヴァを見上げる
激しい情事の後、シヴァは直ぐにユーリの身体を拭いて服を着せてくれた
今日もシヴァのシャツを借り、だぼだぼの状態だ
頭がぼんやりとしたままのユーリはされるがまま着替えを済ませ、今に至る
昨夜は意識を失うように寝ていたため、こうやって情事の後のやり取りは恥ずかしい
「シヴァ様…」
「大丈夫だ。すぐに戻ってくる。レイラの手配もしておく」
恥ずかしいのに離れがたい
もっとずっと一緒にいたいと思うのはわがままだってわかっている
それでも…
「腹が減っただろ。待ってろ」
ちゅっと触れるだけのキスをしてシヴァは控え室を出ていく
その背中を見送りながら、ユーリは熱くなる頬を両手で押さえていた
…なに今の去り際のキス!!恋人みたいだった!!
あーもぅ!好きすぎて辛いっ!
…でも、なんでシヴァ様そんなこと自然にできるの!?
シヴァの姿が見えなくなってからユーリはじたばたと身悶える
嬉くて死にそうだ
「あー…シヴァ様ぁ。僕のこと、好きになってくれないかなぁ…」
そう呟いて今度はちょっぴり泣きそうになる