第2章 魔女の逃亡
「ユーリ」
「…っ!」
耳元で囁かれ、身体がビクっと跳ねる
心臓がドキドキと煩くなり、寿命が縮んだ気がした
「シヴァ…様!?…や、やめ…」
ちゅっと響くリップ音
気がつけば耳にキスをされていた
優しく、時にわざと音を立てるようにされ、ユーリはまたしても逃げたくなった
唇はゆっくりと下がり、首筋に触れる
銀糸に似た綺麗なシヴァの髪が頬をくすぐった
「シヴァ様…」
熱い舌が首を這い、ユーリは立っていられなくなる
ぎゅっとシヴァの服を掴み、じわじわと襲い来る女の本能に抗っていた
「…っ、あっ…」
シヴァの左手が胸に触れる
布一枚越しに感じるシヴァの熱にくらくらした
優しく揉まれ、それは形を変える
ボタンの無いシャツは簡単にはだけていた
「シヴァ様…ダメ…」
そう言いながらも声が上ずり、息が熱を持っていることに自分でも気づいていた
ダメなんて言っても説得力がない
それどころか、シヴァに直接触られて嬉しいとさえ感じていた
「やぁん…シヴァ様…」
このままじゃ止まれなくなる
媚薬のような刺激にお腹の奥が疼く
女の本能はもう叫んでいた
我慢できない、と――