第2章 魔女の逃亡
またしても体が女になっていた
シヴァを見上げると、彼も驚いたように目を見開いている
シヴァに見られている
そう考えただけで身体中が熱くなり、心臓がバクバクと悲鳴をあげた
は、恥ずかしい!!
昨夜、あんなにも乱れたというのに、はだけた胸を見られるのが恥ずかしく、ユーリは両手で胸を隠していた
「…ユーリ」
「み、見ないでくださぃぃぃ!!」
ユーリは逃げるように控え室へ飛び込むと、勢いよくドアを締める
もちろんシヴァが無理矢理入ってくることは無かったが、ドア越しに声がかけられた
「ユーリ」
「……はい」
「体、平気か」
「…はい。昨日と同じで…特に何も…」
そう、特に違和感はないのだ
これは魔女がすごいのか、魔法そのものがすごいのかわからなかった
性別が変わっているのに、まるで生まれた時から女だったかのように違和感が無い
「そうか。一晩で解ける魔法じゃなかったのか…」
「そのようですね…」
ドア一枚隔てての会話に、ユーリはとても淋しくなった
自分から逃げ出したくせに、もうシヴァの顔が見たくなったのだ
それだけではない
触れて欲しくて
昨夜みたいにキスして、抱いて欲しい
こんなにも身体がシヴァを求めて止まないのだ
…もちろん、そんなことは口に出来ないが