第2章 魔女の逃亡
仕事が始まると、今日はやけにシヴァの元を訪れる人が多かった
先日提出された書類の内容の確認や、武器の在庫数についての報告、第一部隊の管轄の情勢について等々
いつもならここまで人が来ないのだが、おそらくユーリを見に来たのだろう
だが、残念ながらユーリは男に戻っている
皆がっかりしたように帰っていった
そんな事もあり、午前中はあっという間にすぎていった
「今日はどちらで食事をされますか」
「食堂にする」
「わかりました」
午後は訓練のため、食後にそのまま向かうのだろう
二人きりの食事は気まずいから、食堂での食事はありがたかった
「では、僕はここを片付けてから向かい…」
言葉途中に、手元の資料がバサっと落ちる
「ユーリ?」
「あ…くっ…くるし…」
急な胸の苦しさに息が出来なくなる
立っていられなくて床に膝を着くと、脳裏に昨日の光景がフラッシュバックした
この苦しさ…まるで昨日と同じ…
そう思った時、胸元のボタンが弾け飛ぶ
カーペットの上に転がったボタン
だがそれよりも、ユーリは自分の胸に目を奪われていた
そこには今にも服からこぼれ落ちそうな丸みおびた胸
わずかに遅れて髪が伸びる
「う…嘘でしょう!?」