第1章 魔女の禁忌魔法
「ユーリ…」
背中に回されたシヴァの腕が強くなる
それが心地良い
「はい…シヴァ様」
「ここに残るなら覚悟しろ」
「えっ?」
シヴァを見上げる
何を覚悟しろと言うのだろうか
その意味がわからず、ユーリは続きを待った
「お前がここに残るなら、俺は手を出さずにはいられない」
「シヴァ…様」
拒否されなかった
そう思ったらつい笑顔がこぼれてしまう
「嬉しいです」
「…意味わかっているのか。お前を抱くって言ってるんだ」
「……シヴァ様」
はっきり言われて顔が真っ赤になる
抱く、というのはもちろんこうして抱き締め合うという意味ではない
恋愛に疎いユーリでもわかっている
抱いてほしいとは言えず、ユーリは小さく頷いていた
「ユーリ、無理しなくていい。お前は本来男だ。男に抱かれるなんて気分悪いだろう」
「無理なんてしてません!僕、今は…シヴァ様のことが好きです…。この気持ちが男に戻っても残るかはわかりませんが…。でも、今は本当に」
これは恋なんだ
魔女のせいで恋したわけじゃない
体が女になったせいで感受性が少し変わっただけだ
「シヴァ様…好きです」
もう一度絞り出すように告げると、唇が重ねられた
酔いしれる甘い刺激に、ユーリはたった今、女でいられることに喜びを感じていた