第1章 魔女の禁忌魔法
優しく、そして壊れ物を扱うみたいにシヴァの指先が頬を撫でる
頬が痺れたような感覚に、顔がぼっと火照り始めた
熱くて、苦しくて、逃げ出したくて
それでももっと触れてほしいようなもどかしい感情にユーリは俯きかける
しかしシヴァはそれを許さないというように、ユーリの顎を持ち上げた
「あ…あの…」
親指が唇に触れ、それ以上言葉を紡げなくなる
ゆっくりシヴァの顔が近づいてきて、気がつけばユーリは息を止めていた
「んっ…」
唇が重なる
しかしすぐに離れていった
「シヴァ…様…?」
鼻のぶつかるくらいの距離にある顔
その瞳から目が離せない
触れるだけのキス
嬉しいはずなのに物足りなくて、ユーリはシヴァの服を掴んでいた
もっとしてほしい…
その思いが通じたのか、再び唇が重なる
今度は先ほどよりも長く
何度も角度を変え、むさぼるように唇が奪われる
呼吸が苦しくなり空気を求めてユーリが逃げようとしてもシヴァは容赦しなかった
腰を抱き寄せられ、後頭部を押さえられ、ユーリに逃げ場はない
交わる息が熱を持つ
頭がくらくらして、何も考えられない
それなのに、体は正直だった
やめてほしくない
そう願っているのか、シヴァの唇に必死に応えている自分がいた