第8章 これからの二人
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それは良く晴れた日だった
雲ひとつない青空とはまさにこのことを言うのだろう
城に隣接された教会で、ユーリとシヴァは神に誓う
夫婦として、これからも愛し合い、支え合うと
そう、今日は二人の結婚式である
憧れの真っ白なウェディングドレスに身を包み、たくましいシヴァの腕に自分の腕を絡める
たくさんの参列者に祝福の声をかけられ、ユーリは涙をぐっと堪えていた
幸せすぎておかしくなりそうだ
レイラたちと同じように街を抜け、川と山で儀式を済ませ、夜には盛大なパーティーが開かれる
そこにあの魔女がいたのをユーリは見逃さなかった
どうやらシヴァがこっそり手配したらしい
とはいえ、まさか来るとは思っておらず、ユーリは少し驚いてしまう
魔女は目が合うと小さく微笑み、ユーリが瞬きをした瞬間に姿を消していた
本当にありがとう…
ユーリは心の中で呟く
そして二人は踊ることなく、続々と挨拶に来る来賓客の対応に負われていた
それから更に時間が経ち、来賓客がやっと途絶えると、やっと一息つく
「ユーリ、飲むか」
「はい。ありがとうございます」
シヴァからグラスを受け取り、乾杯をする
一ヶ月前にユーリは成人したばかりだった
つまり、ユーリが女になってから一年以上が経つ