第7章 奇跡はすぐに
――――……
真っ白な天井が広がる
見慣れない天井は医務室のものだ
部屋に戻っていいと言われたユーリだったが、一人でいるのが不安でここに残らせてもらっている
サボナたちはあっさり了承してくれた
「月の障り…」
ぽつりと呟いてお腹に手をあてる
触った感じは今までと変わりない
それなのに、確実に昨日とは違うのだ
『生理はね、簡単に言えば体が赤ちゃんをつくれるようになったっていうひとつのサインね』
看護師が最初に言ったのはその一言だった
まるで子供に聞かせる様な言い方だったが、ユーリにストンと落ちてきたのだ
赤ちゃんがつくれる――
そのワードが頭のなかを何度もこだました
理解できないと思う反面、嬉しいという感情が沸き上がる
何故今さら生理がきたのかわからない
それでも、ユーリの体は昨日より、完全に女性に近づいていた
「まだ浮かれるには早い…」
ユーリは戒めるように呟く
もしかしたら今日だけの現象かもしれない
明日になったらまた朝は男になっているかもしれない
シヴァに何と説明したらいいのか
もし、期待をされてしまったら?
次の日に男に戻ったユーリを見てがっかりする?
もやもやとした感情が駆け巡る
嫌だ…シヴァ様にはがっかりされたくない…!
ユーリはシーツをぎゅっと握りしめる