第7章 奇跡はすぐに
しばらくして、ユーリは綺麗に拭かれ、入院患者が着るような薄手のガウンを羽織って横になっていた
看護師から渡された薬を飲むと、次第に頭痛と腹痛が落ち着いてくる
そしてそのタイミングを見計らったかのようにサボナと看護師が現れ、わざとらしく咳払いをした
「サボナ先生…私、何か体がおかしくなっちゃったんでしょうか…」
「いや。はっきり言って、おかしいことなんてひとつもない」
「えっ…でも、さっき血が…」
「あれはな…」
ごくりとユーリは唾を飲む
そして…
「女性におきる、月の障りじゃ」
サボナの言葉に耳を疑った
「……月の障り…?」
「そうじゃ。ようは生理。思春期の女性から閉経まで、だいたい月に一度訪れる現象だ」
「………それって……」
口がからからに渇く
あまり女性の身体的生理現象には詳しくないが、もしユーリの知識があっているのであれば…
「なに、わからないことだらけじゃろうが、安心せい。頭痛や腹痛も個人差はあるものの、薬で和らげる事ができるからの。それに詳細はこの娘たちに聞くといい」
そう言ってサボナはカーテンの外に出ていく
呆然としたユーリは、残った看護師二人から、月の障りとは何か、説明を受けることとなった